2004年竣工

所  在:小山市
用  途:専用住宅(増築)
規模構造:RC・S・木造(混構造) 2階建て          (増築床面積:84.97u)
      (カーポート部分を含む)

設計の条件
 「男には誰にも干渉されない時間」への憧れがあります。このプロジェクトは、そんな忙しい毎日を過ごしている人の「男の隠れ家」として位置付けられています。
 建て主は、アパレル関係の企業経営者です。忙しい日々の中で僅かに得ることのできるプライベートの時間を楽しむスペースを数年前に新築した住宅に増築する方法で求めました。振興住宅街に位置し、戸建住宅や集合住宅が建並ぶ環境にあって住宅メーカーの提供する空間では得がたい「特異な空間」を近隣を気にせず且つ開放感のあるプライベート空間を如何に実現するかが計画のテーマです。
壁に囲まれた内外プライベート空間
 既存の住宅は、ほぼ敷地を全面に使っていることもあり、前面道路に面した僅かなカーポートのスペースに1階がそのままカーポートで2階に既存住宅からつながる小空間の部屋を設けることになりました。
 計画では2階に設ける部屋を近隣からの死角を確保すべく周囲を開口部の無い壁で囲み、内からも屋根版を壁から浮かせることで視界に入るほとんどが空という視界の設定です。そのため、壁と屋根の間の開口部には極力、障害物(構造物)を排除する必要があり、そんなそれぞれの必要性から全体の構造は1階がRC造、2階が木造、屋根がS造という混構造の選択となりました。
 開放感のある、壁に囲まれた内外空間が実現し、一人の時間を楽しむ「男の隠れ家」が生れたものと思います。