NIR邸 「黒い板塀のある家」

DATA

竣工:2008年12月
所在:下都賀郡壬生町
用途:住宅
構造:木造 2階建て
延床面積:281.78 ㎡

設計にあたり

 古くから栃木県壬生町において、肥料業を営むNIR邸は木造の店舗部、石倉などの倉庫部と挟まれた住宅部の建物からなり情緒ある板塀の続く旧家です。計画は住宅部を二世帯住宅として建替えし、旧家の重みを継承しながら東西に細長い敷地で如何に快適な住空間とするかが課題となりました。

長い木製ルーバーでイメージづくり

 まず、東西に細長い計画地は南側が道路となっているため日当たりは好条件にあるものの南面境界には板塀を建替え景観上の配慮をすることと、2階部において道路側からの視界を考慮することが必要となりました。板塀があることによる閉鎖感を解消するため細長い中庭との一体感の確保、そしてプライバシーを守る2階部にはバルコニーに長いルーバーを設け道路からの視界をコントロールしました。古くから地域に親しまれてきた景観を保ちながら、板塀越しの住宅景観も主張しすぎず、自然素材の温もりに包まれた家づくりとなりました。