掲載紙 :医院建築 No.19
      (東伸企画社 発行、彰国社 発売)

1998年竣工

所  在:栃木県真岡市
用  途:内科診療所(有床)
規模構造:鉄筋コンクリート
       2階建て
       (延床面積:870.57u)

設計の条件
 区画整理事業が振興する新興住宅街に位置しています。周辺はなだらかな心地良い起伏があり、眺望の良く、東西が道路に接し、また東西の道路が約3mのレベル差のある敷地です。地域に密着した医療サービスの展開と周辺にある高齢者福祉施設のバックアップ医療の展開が目的とされました。内科を主に眼科を併設し、16床を持つ有床診療所として、周辺が閑静な住宅街であること、また、医療施設としての潜在的なイメージを拭い去ることなどが計画上のポイントとなりました。
“らしからぬ” 医療施設づくり
 医療施設は、一般に福祉施設に比べ環境面で劣るという通念があり、また「患者の感性の充足も大切な医療のひとつ」であるという理念から、計画においては特に「病院らしさ」を極力排除し、まるで地域の美術館を訪れたような心地良さを求めました。視覚的な開放性と明るさ、そして要所に設けられたオブジェなどです。建物は敷地が東西にレベル差があることも活用し、西側からは住宅に近接している為、平屋に見え、東側に向かって開放されています。内部におけるレベル差の処理は、ドライエリアとして傾斜状の植栽帯とし、一階の室内を豊かに演出しています。湾曲した大屋根は街並におけるモニュメントとして設け“らしからぬ”施設づくりを試みました。