1996年竣工

所  在:茨城県猿島郡総和町
用  途:デイケア施設
規模構造:鉄骨造
       (一部鉄筋コンクリート)
       2階建て
       (延床面積:1,253.60u)

設計の条件
 地方都市において、地域に根ざした既存総合病院の老人福祉施設として計画され、既存施設からの増築として一般外来部の拡張と合わせてデイケア施設の設定でした。中間施設としての機能を有するデイケアは、医療なり、介護なり、またはレクリェーションなり、文字通り高齢者が快適に一日を過ごすための環境づくりが要求されました。
病院臭を消すことから
 計画では、「独特の病院臭(環境臭)を消すこと」からスタートし、また、施設の望まれる性質上、非日常性を感じるケアゾーンと位置付けられました。基本的な空間構成は施設端部に位置するゾーンをケアウオール(俗称)と称した湾曲した壁で包み、建物本体との間に生まれた緑地が日常性との緩衝空間となってケア環境が守られました。また、アプローチにおいては、その緩衝空間を突き抜けて出る大きな庇が誘導します。さらに一般診療部からの導入は、異質なティールームを通過しその空間特性の変化を予測させています。