2003年竣工

所  在:小山市羽川
用  途:保育所
規模構造:鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造)
       2階建て (延床面積:632.43u)

設計の条件
 計画は、小山市の中心部から距離を置き、周辺での宅地開発が進むなかで、周辺住民や所轄行政から定員増の期待に答えての増築及び既存部の大規模修繕計画です。社会福祉法人である"さくら保育園"はこの事業計画において、国庫補助の対象となり計画が進められました。
 計画前の保育施設は比較的小規模ではありましたが、理事長・園長さんの園児を思う気配りから、園児の笑顔の絶えない伸び伸びとした暖かさを感じる環境だったと思います。計画では、定員増後においてもその精神は変わらず、光や風・緑と常に接しながらの施設づくりが望まれました。
オープンデッキを生活の中心に
 決して充分とは言えない広さの計画地において最大の課題は、如何に「光・風・緑」に触れながら園内生活を充実していくかと言うことでした。幸い既存建物が敷地内で端に位置しているため増築用地が比較的まとまった広さで確保でき、また、既存部の機能再構成も含め計画が進められました。
 建物は、東西の中心部に南北に長いオープンエリアを設け、施設を大きく2分する形式で配置しました。1、2階を通じてのオープンエリアには屋内履きで通るデッキが広がり、奥深くまで届く光と通り抜ける風の中(時には雨の中)、東西の建物間の移動動線や視覚が抜ける構成で、屋内外が連続する保育空間になったものと思います。園内生活の中心となるオープンデッキで楽しむ園児達の声が聞こえてきそうです。